公差は、機能に効く寸法から優先して確認します
軸、穴、摺動面、シール面、取付面などは精度が効きやすい一方、外観や逃げ寸法は目安でよい場合もあります。重要箇所を分けると見積と製作判断が進みやすくなります。
全部に厳しい公差を付けない
外観や逃げ寸法まで厳しくすると、加工費や納期が重くなります。機能に効く箇所を先に分けます。
相手部品と接する箇所を分ける
軸、穴、キー溝、ベアリング、シール面、摺動面、取付穴など、相手部品との関係がある箇所を優先します。
動き方と使用条件を共有する
固定、回転、摺動、圧入、抜き差し、荷重、温度、油や水の有無で、必要なすき間や表面条件が変わります。
基準面と測り方をそろえる
どの面を基準に測るかで穴位置や全長の判断が変わります。現物採寸や図面化では基準面を先に決めます。
公差・はめ合いを相談する前に整理したい情報
数値で指定できなくても構いません。相手部品、動き方、ガタを避けたい箇所、摩耗している箇所を分けて伝えると、確認すべき寸法が絞れます。
| 部品の役割 | 固定する、回転する、摺動する、位置決めする、密閉する、荷重を受けるなど、役割を分けます。 |
|---|---|
| 相手部品 | 軸、穴、ベアリング、ピン、ボルト、キー、シール、取付面など、接する相手を確認します。 |
| 基準面 | 取付面、端面、中心線、穴中心、段付き面など、どこを基準にするかを整理します。 |
| 重要寸法 | 軸径、穴径、穴ピッチ、厚み、長さ、段差、キー溝、ねじ、R、角度など、機能に効く寸法を分けます。 |
| はめ合い | すき間ばめ、しまりばめ、軽圧入、手で入る程度、ガタを避けたいなど、現場で求める状態を言葉で残します。 |
| 動き方 | 回転、往復、摺動、振動、着脱、位置決め、シール性の有無を共有します。 |
| 摩耗・変形 | 現物が摩耗している、穴が広がっている、曲がっている、割れている場合は、現物寸法をそのまま正としないよう分けます。 |
| 表面条件 | 表面粗さ、硬度、熱処理、メッキ、潤滑、シール面、摺動面など、仕上げが効く箇所を確認します。 |
| 検査したい箇所 | 必ず確認したい寸法、写真確認でよい箇所、現場合わせでよい箇所を分けます。 |
| 数量・用途 | 試作1個、復旧用、予備品、継続小ロットなど、用途と数量で求める確認レベルが変わります。 |
公差・はめ合い相談で起きやすい見落とし
必要な箇所を見落とすと使えず、不要な箇所まで厳しくすると費用が上がります。現物と使われ方を分けて確認します。
全寸法を厳しく指定する
必要以上に厳しい公差は、加工先の選択肢を狭め、費用や納期を重くします。機能に効く箇所を優先します。
摩耗した現物寸法をそのまま使う
摩耗後の穴径や軸径をそのまま正にすると、ガタや圧入不良が残ることがあります。元寸法と現状寸法を分けます。
相手部品を確認しない
単体寸法が合っていても、ベアリング、軸、取付穴、シール面との関係が合わなければ使えません。
寸法公差・はめ合いが分からない時のよくある質問
公差表や専門記号が分からなくても相談できます。必要な箇所から、現物、用途、相手部品をもとに整理します。
図面に公差が書いていなくても部品製作を相談できますか?
相談できます。全寸法を最初から決めるのではなく、軸、穴、取付面、摺動面など、機能に効く箇所から確認します。用途や相手部品が分かると整理しやすくなります。
はめ合いの種類が分からない場合はどう伝えればよいですか?
手で入る、少しきつい、圧入したい、ガタを減らしたい、回転させたいなど、現場で求める状態を言葉で伝えてください。相手部品の写真や寸法があると判断しやすくなります。
摩耗した部品しか残っていない場合、公差は決められますか?
摩耗状態によります。現物寸法、摩耗箇所、相手部品、使用条件を分けて確認し、元寸法の推定や現場合わせが必要かを整理します。
公差を厳しくすると見積は高くなりますか?
一般に、厳しい公差や表面条件が増えるほど加工方法、検査、納期に影響します。全部を厳しくするより、機能に効く重要寸法だけを分ける方が現実的です。